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セーヌ川でマラソンスイミングはできる?現在の水質や水質改善でやったことについて

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今回の記事では、セーヌ川でマラソンスイミングはできるのか、現在の水質や水質改善でやったことについてまとめました。

セーヌ川でマラソンスイミングはできる?

セーヌ川の現在の水質

セーヌ川の水質改善でやったこと

パリオリンピック2024において、セーヌ川でのマラソンスイミングが予定されています。

しかし、セーヌ川は水質の問題から1923年以来遊泳が禁止されてきた川です。

パリオリンピック2024でマラソンスイミングは予定通りセーヌ川で行うことができるのか、気になっている方はぜひ最後まで読んでいってください♪

 

セーヌ川でマラソンスイミングはできる?

セーヌ川でマラソンスイミングができるかどうかは、天候次第のようです。

大雨が降った後の水質検査では、セーヌ川の大腸菌数は増える傾向にあります。

これにはパリの下水事情が関係しているとされています。

パリの地下を流れる下水道は全長2500km以上あり、19世紀後半の大規模な都市計画の中で整備されました。

大雨などで流入する水が一定量を超えると一部をセーヌ川に直接排水する仕組みになっていて、これがセーヌ川の水質悪化につながってきたようです。

1990年には当時のパリ市長だったシラク元大統領が、セーヌ川を自分が泳げるくらいきれいにすると宣言し、セーヌ川の浄化のために莫大な資金を投入しました。

しかし水質改善は思うように進まず、シラク氏はセーヌ川を泳げる川にするという目標を達成することなく市長としての任期を終えました。

シラク氏の宣言から約30年たったいまでも、セーヌ川を浄化する取り組みは続いています。

すでに水質は十分に改善しているとアピールするため、パリオリンピック直前の7月にフランスのスポーツ大臣やパリ市長が自らセーヌ川に飛び込むパフォーマンスを見せました。

パリ市長はセーヌ川を泳いだ後、「水の中に入ると自然で違和感はない。この水は本当にいい感じだ。少し冷たいけれど冷たすぎることもない。」と笑顔で語りました。

その後の健康状態が気になるところですが、報告はなかったようですね。

国際的な環境保護団体の欧州支部であるサーフライダー・ファウンデーション・ヨーロッパは、去年の9月からセーヌ川の水を2週間ごとに採取し、大腸菌や腸球菌などの細菌数を独自に調査してきました。

パリオリンピックを間近に控えた7月4日の調査結果は、大腸菌が910で、腸球菌が305。

7月15日は大腸菌が920で、腸球菌が38。

マラソンスイミングの水質基準は、水100mlあたり大腸菌1000以下が適切とされています。

けっこうぎりぎりに見えますよね。

天候次第では、基準を上回ってしまうことも十分考えられます。

マラソンスイミング会場にあるアレクサンドル3世橋はパリで最も美しいといわれる橋。

背景が最高なのはまちがいありませんが、選手の健康が第一。

安心して競技ができるよう計らってほしいものですね。

水質が基準をクリアしない場合は、競技日程を延期するか、会場を変更することが発表されています。

 

セーヌ川の現在の水質

セーヌ川の現在の水質は、以前よりだいぶ改善されてきたとはいえ天候により大きく左右されます。

パリ市が6月3日から7月2日にかけて30日間行ったセーヌ川の水質検査のうち、22日で大腸菌が許容水準を上回り、安全に泳げる状況ではないと判断されました。

その後7月19日にはフランスが、「オリンピック会場となるアレクサンドル3世橋付近の水質分析結果は、7月10日から16日の7日間のうち、6日間が健康基準内だった」と発表。

セーヌ川の水質が安定していないことを物語っていますね。

そして7月26日と27日に降った雨の影響でセーヌ川の水質が再び悪化。

国際競技連盟の水質基準を満たせず、28日朝に予定されていたトライアスロンのスイムの公式練習は中止されました。

31日のトライアスロン本番はなんとか基準をクリアしたようで、選手たちは予定通りセーヌ川を泳いだ後、パリ市内を自転車とランでゴールまで駆け抜けました。

パリオリンピック2024におけるマラソンスイミングの本番は8月8日と9日。

果たして予定通り実施することができるのかは、パリの空の機嫌次第ですね。

 

セーヌ川の水質改善でやったこと

パリオリンピックの競技会場として使用するにあたり、セーヌ川の水質改善のために投じられた金額は約14億ユーロ、日本円にすると約2400億円にのぼります。

おもな対策は2つあります。

1.巨大な貯水槽の建造

2.セーヌ川上流の浄水場の整備

 

1.巨大な貯水槽の建造

対策の一つ目は、パリ中心部の地下に作られた巨大な貯水槽です。

直径50m、深さ30m。

25mプール約200杯分、5万トンの水をためることができます。

大雨が降ったとき下水処理場の負担を軽減する役割を持ち、下水を直接セーヌ川に排出せずに済むようになります。

貯水槽は2024年5月に完成し、6月から稼働しています。

 

2.セーヌ川上流の浄水場の整備

対策の二つ目は、セーヌ川上流における浄水場の整備です。

貯水槽と連携して機能し、セーヌ川の水質向上に寄与します。

これらの対策によって、パリオリンピック後の2025年夏には、パリの市内3か所に遊泳場所を作る予定になっています。

しかし現状まだまだ水質に課題のあるセーヌ川。

対策が十分というには程遠い感があります。

昔のように市民が泳ぎを楽しみたいと思うほどきれいな川であり続けるには、長い時間がかかりそうな気がしますね。

 

まとめ

今回の記事では、セーヌ川でマラソンスイミングはできるのか、現在の水質や水質改善でやったことについてまとめました。

要点まとめ

・セーヌ川でパリオリンピック2024のマラソンスイミングができるかどうかは天候次第

・セーヌ川の現在の水質はだいぶ改善されてきているものの、天候によって悪化する

・セーヌ川の水質改善でやったこと

1.パリの地下に5万トンの水をためられる貯水槽を建造

2.セーヌ川の上流に浄水場を新たに整備

マラソンスイミングは海、川、湖など自然環境の中で行われる長距離水泳競技です。

10㎞の距離を約2時間泳ぎ続ける耐久レース。

ひたすら早く泳ぐだけのプール競技とは違い、水の流れや波の高さ、水温の変化などにも対応する能力が求められます。

また、25人が一斉にスタートするため、集団内での位置取りやコースの選択も重要な競技です。

トライアスロンで実際にセーヌ川を泳いだ選手は、「水の汚れよりも流れが問題。今まで泳いだ中で一番強い流れで泳いでいるときに100回くらい溺れたので、おそらくボトル10本分ほど水を飲んだと思う」と話しました。

流れが強いのはあまり水泳向きではない気がしますね。

しかもボトル10本分も川の水を飲んだとすると、競技後の体調が心配になります。

世界のトップアスリートが集うオリンピック。

開催国は最高の舞台を用意する義務があります。

セーヌ川を競技会場に設定し、その水質改善のために巨額の費用をかけ、かつての美しいセーヌ川をレガシーにしたいというフランス政府の思いは素晴らしいと思います。

環境保全に対する熱意は日本にも見習ってほしいほど。

しかしオリンピック開催までにどんな天候でも安全な水質レベルに達しなかったのは残念です。

パリオリンピック2024のマラソンスイミングには、日本から蝦名愛梨選手(北海道出身)と南出大伸選手(和歌山県出身)の2名が出場します。

観客からすれば、競技とともにセーヌ川の景色を楽しめるという利点はたしかにありますが、それ以上に選手のベストなパフォーマンスが見たいもの。

レガシーにこだわらず、良好な競技環境の提供を期待したいですね!

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